こどもの集団フッ化物洗口を考える①

久々に、少し争議的な話題について思うところを書こうと思います。
日記のタイトルにも書いた「集団フッ化物洗口」という取組みをご存知でしょうか。
■集団フッ化物洗口とは

「虫歯予防にはフッ素が有効」ということばやイメージは、メディアを通じてすでに広く流布されていますね。フッ素入り歯磨き粉、歯医者さんでのフッ素塗布、などなど。
「アパタイト再結晶化で、虫歯予防!」なんてテレビCM、どこかで見たことありますよね。
そうしたフッ素利用による口腔衛生改善の取組みの中でも、ここで話題にする「集団フッ化物洗口」という取組みは、虫歯予防の必要性が高い幼児〜児童期の子どもたちに対し、保育所や幼稚園、学校単位の集団で「フッ素化合物溶液」による“ブクブク・ぺっ”のうがい(溶液は飲ませない)を定期的に行わせるというものです。
まずは、どのような構造のもとでそれが実施され推進されているのか、以下にごく簡単な概要だけ記します。
■取り組み推進の「構造」

「集団フッ化物洗口」は、厚生労働省が定めて発したガイドラインに基づき、地方自治体がそれぞれフッ化物洗口の普及を目的とする条例を制定し、実施されています。
僕が住む芽室町という自治体も、その上部組織である北海道が条例を定めていることから、それにのっとり、町内の保育所や幼稚園での「集団フッ化物洗口」を既にはじめており、また、今後はそれを小学校においても行おうとしています。
(ちなみに、僕の娘が通う公設の保育所(運営は指定管理者)でも、フッ化物洗口が実施されています。その詳細に関しては、多分、日を改めてお知らせすることになりそうです)
また、この取組みについては、日本歯科医師会という専門家団体(あえて「業界団体」と表現しても許されるかな)が、その有効性や、後に取り上げる「安全性」について“お墨付き”を与え、各自治体の取組みを組織として強力にバックアップしています。
全くの余談ですが、そういえば以前、北海道新聞の見開きカラー全面広告で、高橋はるみ北海道知事と日本歯科医師会もしくは北海道歯科医師会の役員(会長?)だったかがともににこやかにフッ化物洗口による公衆衛生改善推進の呼びかけをしているのを見た覚えがあります。
全面広告を打つその予算のかけかたもそうですが、訴えている内容の“絵に書いたような明朗さ・健全さ”を見たとき、個人的には、かえって「この大げさな“安心・有効アピール”って、なんだろう?」と、正直、その動機がいぶかしく思え、違和感を覚えた記憶があります。
(ところで…ここでふれた「町は道の方針に従い、道は国の方針に従い…」という「判断の上意下達構造」や、大きな業界団体が強力に後ろ盾をして「有効性・安全性・必要性」にお墨付きを与えることで普及をはかる、という構図、なんだかどこかで見たことがありますね…)
■実施への疑問の声

しかし、そうした国や自治体、業界団体の「有効、安全、必要」の強い声の裏で、歯科衛生や保健衛生の専門家のなかから「フッ素化合物による虫歯予防」の有効性、そして安全性に対して異を唱える主張がいくつも挙っている現実があります。
たとえば、「フッ素」はそもそも「劇薬」に指定されている物質であり、中毒を引き起こす原因となり得る、だから子どもたちに与えることは望ましくない、という主張です。
また「フッ化物洗口には虫歯予防の効果あり」とするデータや結果そのものに対して異を唱える歯科医師や専門家もいます。
そのようにフッ化物洗口に対する異論は少なからず表明されているのですが、その際に非常によく引用されるのは「世界保健機関WHOは、6歳未満の子どもに対するフッ化物洗口は禁忌としている」という事実や、「斑状歯」というフッ素による慢性中毒症状の実例の存在です。
人体リスクをもった物質であり、現に、その実害もある、と。
一方、そうした「反対」の主張に対して「推進」側は、様々な科学的根拠を挙げつつ、
・フッ素の用量や使用方法を守りさえすれば、健康に影響を及ぼすものではない。
・フッ素の虫歯予防における有効性と、適正な運用のもとでの安全性は、WHOをはじめとする世界の医学専門機関も認めている。
・WHO「6歳未満は禁忌」については、ある条件下での限定的な判断ということであって、その部分だけを恣意的に切り取ってフッ素利用を否定する根拠とするのは、事実の歪曲だ。
・そもそもフッ素は自然界にも存在するし、例えばみそ汁の中にだって入っている物質であって、人は普段からフッ素に接している
…等々、論理的に反論します。
『フッ素の利用は、確かに人体に悪影響を及ぼすリスクを伴っているものの、適正な管理のもと、人体に適用される際の量や用法が適正であれば、その安全性は十分保証される。それは科学的な結論である。フッ素の効果や有益性の大きさに比すれば、そうした管理可能なリスク、科学技術的に低減可能なリスクを根拠にしてフッ素を活用しないのは、ナンセンスである』
ということなのでしょう。
(でも、これってどこかで聞いたことのあるような理屈ですね…。フッ素とは違うある事例について、一昨年の春以降、嫌というほど聞かされてきたような。僕の中にある種の“苦々しい既視感”が湧いてきます。たとえば上記のフッ素をすべて、「原」とか「放」で始まるある単語に置き換えてみたい衝動に駆られます…)
■このこと、知ってました?

ぜひこれをお読みの皆さんも、まずはお試しで、「フッ素」「フッ化物洗口」「安全性」「危険性」など適当なキーワードでWEB上の情報を検索してみて下さい。
そこでは、果てしのない、泥沼とも言える論争が繰り広げられていることが分かると思います。
ところで、こんな論争があること、特に「フッ素のデメリット」を主張する言説がこれだけあることを、知っていましたか?
“恣意的だ!”という批判があることを覚悟で、ちょっと言い方をかえましょう。
特に、僕ら家族と同じく、実際に自分の子どもが「集団フッ化物洗口」を実施している保育所や幼稚園に通うお母さんやお父さん、ご家庭の保護者の方々に聞いてみたい。
「そんなこと、知らされていましたか?」
ちなみに、僕は、全くというほど知りませんでした。
■自分自身の立場と構え
さて、ここで僕は、上記したような「安全か危険か/有効か無効か」という論争に対する自分の立場を明確にしておきたいと思います。
・フッ素やフッ化物洗口が安全か否か、有効か否かを自分自身で検証することは出来ないし、自分でそれを検証しようとも考えていない。
・だから、僕自身は、誰かに対して自信をもってフッ化物洗口の是非についての「客観的事実」や「結論」を提示することは出来ない。
・僕には、与えられた情報に基づいて自分なりの「判断」をし、その判断に基づく「選択的行動」を取るしか無い。また、そうしようと思っている。
その立場にたって、いま僕が下している「判断」は、至極簡単です。ある人たちからすると「こいつ、すっごく頭悪いなぁー」と笑われてしまうような判断かもしれませんが、一保護者としての実感に即した判断です。
『リスクがあると言われている化学物質を、できれば子どもたちの口の中に入れたくないなぁ…。歯磨きをちゃんとやれば、それで十分なんじゃないかなぁ…。』
(ここで「子どもたち」というのは、もちろん、うちの愛娘のことでもありますが、娘の級友たちや、津々浦々の同じ環境におかれた子どもたちのことを指してもいます)
いくら専門家やお役所(お上)から「安全です!間違いは起りません!間違いが起らないような対策は万全に取っています!たとえ間違いがおきたとしても、直ちに健康に影響を及ぼすことはありません!」と説得されたにしても、です。
(これを書いていると、うう…またもあの苦い苦い既視感が…)
また、もうひとつ、僕が取れる立場としては、以下のものがあります。
・この件に関して僕が出来るのは「僕はこう思うのだが…」という「推察」や「心情」を自分自身のなかで反芻したり、それを個人的「推察」や「心情」として他者に投げかけるということのみである
蛇足の感はありますが…。でも、このブログ記事はそういう立場に基づいて書いたものです。
さて、この件について、当事者である僕ら家族がこれまでのところどのような「判断」と「選択的行動」をしたのかについての詳細、また、その際に直面することになった「現実」や「現場で何が起っているか」については、また日を改めて書きたいと思います。
先ずは皆さん、フラットな心持ちで、「フッ素」「安全」「危険」で検索してみるといいですよー。
(つづく)