それなり

久しぶりに、どうでもいい内容の長〜い日記を書きましょう。

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このところ何かと Do It Myself が多いです。あれこれ「自作」。

わたくしは万年金欠自転車操業自営業者でありますので、自分で手がけざるを得ないという「必要」に迫られての、つまりは「外注するカネがねぇ…」ということでのDIYが多々あります。

しかし、自分なりの試行錯誤を行う中で、その必要にそれなりに応え得る技能が自分の身についてゆく感覚を確実に自覚できます。それって、なかなか気持ちが良いものです。

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先月から今月にかけてちょこちょこと、のべ1週間くらいかけて物置の改修をしました。トタン屋根のふき替えです。

我が家の物置は木造で、母屋と同じく築30年以上の古さ。過去に一度か二度、屋根が張替えられたような形跡があるものの、その張替え後の屋根さえもが風雪で所々腐っていて、この家に引っ越してきた当初からすでに雨漏りしていました。

うちの物置は片流れ屋根。外側から、トタン→下地板→垂木→桁・母屋という構造でできているのですが、なんと、下地板どころかに垂木にまで腐朽菌がはびこって一部はポロポロ崩れるような脆さに。これは単に「板を引っぺがして新しい板を張る」だけではすみません。

幸い、トタンの波板自体はそれほどサビも浮いておらず、ちょっとコーキングして塗装しなおせば再利用可能。それ以外の野地板、垂木、桟木、また(今回いろいろ調べて初めてその存在や機能がよくわかったのですが)破風板や鼻隠しを総取っ替えです。

あと、これまでは使われていなかったトタンと野地板の間の防水シートも新たに張ることにしました。

そんな屋根ふき替え仕事なぞやったことはありません。でもやります。なぜなら、必要に迫られているのです。キノコが生えちゃっているのですよ、天井に。

現物を採寸し、大型ホームセンターで必要な木材・資材を買い、解体、施工です。その工程をいちいちここに書き出すは大変なのでしませんが、おかげですっかり丸ノコやインパクトドライバーやスコヤの使い方が上手になりました。きっとカメラ使うよりも上手いぞ、いまは(笑)。

で、最後にトタンをぺたぺた再塗装して、真新しい野地板+防水シートのうえに打ち付けたら、なんとか完成。ああ出来た。やろうと思えば何とかなるものです。

と、程よく達成感と解放感に満たされたところへ、むむ、次女から「リクエスト」が。

我が家では物置の中に家族全員の自転車をしまっているのですが、物置の出入り口(開き戸)が母屋と物置との間の狭い通路に面して付いているため、自転車の出し入れのたびごとに窮屈な思いをし、これまで娘たちに大変不評でした。

で、以前から何度か突きつけられていた娘からの要求。

「おとーちゃん、ついでに、入り口の位置もかえて」。

は、はい?!

…………はい。

屋根を引っ剥がした時に物置全体の構造(壁の内側)をよく確かめることができたので、どの壁面のどの部分なら建物の強度に影響を与えずに開口幅80cmくらいの戸を新たに付けられそうか、すぐに見きわめがつきました。

よし、やろう。やってやろうじゃない。

じつはこんなこともあろうかと、母屋(家屋)のリフォームをする時に大工さんに捨てずに取っておいてもらっていた古いフラッシュの引き戸が一枚余っています。それを吊り引き戸にして取り付けることにしました。

工作の部材は屋根改修の余材がある。あとはレールと戸車と若干の金具類だけあれば何とかなる。よし!と、再度ホームセンターへ。

やはり、建物全体の構造がすでにわかっていたので、どの位置ならビスや釘がちゃんと効くかの見通しはすぐに立ちます。部材をどれくらいの寸法でどの辺に据え付ければいいのかも、なんだかもう感覚的に(=いい加減に)分かります。

結果、ぶち抜いたり・切ったり・打ったり・貼り付けたりの「新出入り口開口計画」は、仕上がり具合こそ粗いものの、かなりスピーディーに完了しました。

部活から帰ってきた娘に「ほら、さっきまでドアがなかったとこに、ドア、ついてるぜ〜。どうだ、使いやすくなったろう?」と見せつけました。

すると、娘、ニヤリと笑って一言、「まあ、前よりはね」。

…………はい。

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おととい十勝では丸一日、結構強めの雨が降りました。母屋の2階から物置を見下ろして屋根の具合を確認すると、まあ、上々です。新しいペンキでつやつやしたトタン板の上を、雨水が玉になってコロコローっと軒の方へと転がり落ちていきます。満足。

最初に書いたように「必要に迫られて」やった初めての屋根ふき替え作業ですが、やってよかったと思います。改めて、いろいろわかったことがありました。

・「必要」は、思考と、方法と、能力と、それなりの成功の「母」である
・構造や成り立ちさえ掴めれば、それなりの応用ができるようになる
・それなりに準備して始めれば、物事はそれなりにちゃんと終わるものである
・それなりに自由に使える時間が持てるということは、大切なことであり、かつ贅沢なことでもある

そしてなにより重要なこととして、

・たとえ「それなり」でも、それは同時に「わたしにとっての十分」でありうる

またそれ故に、

・ほかの誰かが成した「それなりではないものごと」(それなりを超えたものごと)って、やはり凄いのである


何にしても、自分で手がけてみるというのは、なかなかにいいものです。

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昨夕は、仕事を片付けた後、我が家の庭に勝手にごっちゃり繁茂している野良生えの赤紫蘇をぶっこ抜き、紫蘇ジュース原液を3リットルほど作りました。今年三度目の紫蘇ジュース作りなのですが(どんだけシソが野良生えしてるんだよ、うちは)、今年はこれで最後です。

三度目の今回の出来栄えが、個人的には一番良いです。炭酸水で割って喉に流し込むと、甘酸っぱさも香りもそれなりにちょうどいい。なにより、妖しく透き通る紫色が、それなりに、否、もう十二分に美しい。惚れ惚れする。

いいんだ、これで。いや、いいんだ、これが。

そんな“自己満足抽出エキス”をぐびぐび飲みながら、金欠暇人は今日も明日もなんとかそれなりに生命を繋いでゆくのであります。