ぞうさん

■思い立ったので、書いておこう。
■鎌倉で編集者Hさんと飲んだおりにちょっと話題に上がったのが、まどみちおさん。先日NHKで特集番組が放送されたのだが、Hさんもそれを観ており、互いに「まどさん、すごいですねー!」と盛り上がった。
■僕はまどさんに直接お会いしたことは無いけれど、彼の書いた詩を読んでは、ずっとすごいひとだなぁと思っていた。ちなみにHさんは、20年も前に会ったことがあるのだそう。いいな…。
■僕はときおり、まどさんが書いた童謡「ぞうさん」の歌詞が頭のなかで駆け巡って消えない、という経験をする。いわば“パワープレイ”の状態になってしまうのだ。
■あの詩は、本当に凄い。これぞ詩というものの真骨頂ではないかとすら思う。
■とくに、あの「そうよ」と「あのね」の、何たる力。ひらがなたった3文字で価値観をひっくり返し、そのひっくり返した世界に、温もりに充ちたいのちをどどどっと注ぎ込む。
■1番と2番をあわせても、たった数行。そこに並べられているのは、限りなく平易な言葉。でもそのなかで、生命存在の確かさと美しさ、その尊厳、それを支える原理のなんたるかをこれほどまでに清澄かつ柔らかに提示することができるものだろうか…。
■いまさらながら驚愕するしか無い。
■しかし、ことばって凄いな。そして、ことばを愛し、ことばに愛され、ことばと組み合うことを自らの生の根幹にすえることを選んだ詩人という生き方は凄い。詩人として生きることを貫いているひとは、凄い。