ツアー記その2 12月12日から13日までのこと

■12日(土)
高知市中央図書館を会場したイベント「えほんレストラン2009」で「たべもの写真絵本作り」ワークショップを行う。主催は高知の子育て支援団体「子育てネットひまわり」。
ひまわり代表のAさんとの出会いは、これもやはり、いつもお世話になっている絵本作家Nさんのご紹介で。
Aさんとは、今年始め、初めてお話ししたお電話で「コミュニティーレストラン」「子育て支援」「NPO活動」などのキーワードで意気投合。3月には僕が徳島で行った講演会にわざわざ訪ねてきてくれ、それから今回のワークショップの企画が動き始めた。
「たべもの」と「絵本」と「写真」を、どう楽しく繋げ合うかーー。時間をかけて打ち合わせを進めてきたワークショプが、ようやく実現。それだけで、なんだか嬉しいな。
主催のひまわりの皆さんや、「えほんレストラン」の中で読み聴かせコーナーなどを担当する地元の読み聴かせサークルの方々等と、「よろしく!」のご挨拶と打ち合わせ。
スタッフの皆さんの明るく和やかで、それでいて凛とした雰囲気を肌で感じ、今日のワークショップの成功が見えたような気がした。「何を大事にするか」という部分について、言わずもがなで共有できている、という感覚。
参加者が集まったので、ワークショップ開始。色とりどりの野菜を主人公にして写真絵本を創る。
鮮やかなリンゴやみかんを組み合わせ「シンデレラ」の再現をする親子さん。虎豆とパンダ豆をそれぞれ一つずつ手に外へ駆け出していった男の子は、図書館を舞台に豆同士が追いかけっこをし、ついにはパンダ豆がトラ豆に打ち勝つというかわいい冒険物語を創作してくれた。
デザイナー顔負けのグラフィカルな野菜写真集を創る子などもいて、個性的な作品が続々とできあがり。こどもたち、すごい!
ワークショップ終了後、子どもたちの作品を肴にしてスタッフの皆さんと懇親会でも持ちたいくらいだったのですが、しかし…僕は直ちに高知へ向かわなくてはならず…。
今日もまた後ろ髪を引かれながら高松をあとにした。みなさん、ありがとうございました。また会いましょう!
とっぷりと日が暮れた頃、高知市中心部にある「高知森と緑の会」事務所に到着。翌日13日に高知郊外で行うワークショップを主催してくれる団体との打ち合わせだ。
森と緑の会からは担当のFさん。そしてもう一人、今回の旅に於ける高知以降のスケジュール成立の最大の功労者、フリーライターの藤川さんも交え、明日の行程の確認を簡単におこなう。
打ち合わせ後は藤川さんのお宅へ。高知名産のショウガのたっぷり入った鶏鍋を頂きながら、高知の地酒をチビチビ。ああ、なんと贅沢な。
とにかく今回の高知以降の動きに関しては、藤川さんの存在無くしては実現しなかったことばかり。
もともとのご縁は、以前僕がフォトエッセイの連載を持っていた「faura」という雑誌の関係者同士として札幌でお会いしたことに端を発している。
そのときはまさに軽く挨拶をした程度の出会い。その後僕は十勝へ引っ込み、藤川さんは実家のある四国へ拠点を移されたこともあって、ずっと疎遠になっていた。
しかし、今年3月の徳島県立文学書道館での講演の様子を「faura」で紹介することになり、その取材を藤川さんにしていただいたことで連絡を取るようになったのだ。
高松での仕事が決まった段階で「また四国に行きますよ」と連絡をいれたところ、「じゃあ、高知でも何かできないか、僕が企画たててもいいですか?」と藤川さん。その後企画書を作り、主催になってくれそうな団体探しに藤川さんが高知中をあちこち奔走してくれたお陰で、今回こうして「森と緑の会」とのご縁を得ることができた。有り難い。
フットワークとバイタリティの人、藤川さんの人となりと仕事の詳細は、ぜひ藤川さんのサイトで。
hmitsurufujikawa.com
■13日(日)
ワークショップ会場である「高知県森林研修センター・情報交流館」へ。「研修センター」は今回のイベントの共催団体でもある。
まずは屋内の準備。センターのスタッフの皆さん、そして「森と緑の会」の職員の方々にお手伝い頂きながら、子どもたちを迎え入れる準備を進める。藤川さんにはここでも連絡係や買い出しや物販管理など、何かとお世話に。
開始時間が迫り、参加者が集まり始める。その中に、今回会うことをとても楽しみにしていた人の顔が。3月の徳島講演でお世話になった徳島文学書同館のKさん。そして、僕の中学時代の同窓生Rさんだ。
僕は北海道に移り住むまでずっと神奈川県で過ごした。Rさんとは中学時代だけが重なっていたのだけれど、3年生で同じクラスだったこともあり、卒業アルバムの同じページに顔写真を並べ合っている仲だ。
その後Rさんは、東京で会社勤めをした後、結婚を機に高知に移り住んだのだという。
今回仕事で四国に来るということは、Rさんにも早い段階でお知らせをしていた。昨年、同級生経由で20数年ぶりに連絡を取り合うようになり、今年3月の徳島講演のときにも「今回は高知まで行けないけど、近いうちに高知入りの機会をつくるからねー」と仮約束をしていたのだ。
今回Rさんは、自分の子どもたちが通う学校のおかあさん仲間にこのイベントのPRを精力的にしてくれるなど、藤川さんと連絡を取り合いながら、イベントの成功の為に奔走してくれた。そして自身も当日、子どもたちや旦那さまとワークショップに参加してくれた。
Rさんとの昔話もそこそこに、ワークショップがスタート。元気な元気な子どもたち26人と一緒に「情報館」の周辺の森に分け入り撮影を行う。その様子は、当日ワークショップを見学して下さったmee;さんのブログFAN事務局長さんのブログに詳しいのでぜひご覧を。
また、ネット上の記事ではないのだが、高知新聞社発行の情報誌「K+」も当日の様子をとても良くリポートしてくれた。イベントの様子、そして子どもたちが取り組む様をじっと見つめ、じつに丁寧な取材をして下さったK+のライターFさんにも大感謝!
ワークショップは、いやぁ、今回もまた、楽しかった!そして子どもたちの作品がイイ!
「今日初めてカメラで写真を撮りました…」と自信なさげにつぶやく子が、どっこい、構図にしろフォーカスにしろ非の打ち所がほとんどなく、冬の森の空気感さえ写し込んだようなステキな写真を何枚もモノにしたりする。
また、ずっとひたすら寡黙に写真のレイアウトと画用紙の切り貼りをしていた女の子が最後におずおずと見せてくれた作品。それは、絵本としての勘所をぴしっと押さえた文句の無い”傑作”だった。
読み終えて、その言いようもない優しさに、思わず胸にぐっと迫るものがあった。お話の展開やことばづかいなどから「この子はきっと普段から親御さんに絵本の読み聞かせをしてもらっているのだなぁ…」ということがシミジミ判って、彼女が過ごしてきたであろうその”暖かな時間”の蓄積に思いを馳せることでまた、僕はさらに感動を深めるのだった。
手前味噌で恐縮だが、今回もまた、ワークショップをやらせていただいて本当に良かったとつくづく思う。
同じ場所を歩き、同じ風景を見ているはずなのに、どの作品もそれぞれに違う。子どもも大人も、「人」という存在が内に秘めたものの大きさや広さ深さを、たとえほんのひととき垣間みるだけではあっても、こうして眼前に確かめることができるということ。なんと素敵な経験をさせていただいているのだろう。
返す返す、こうした機会をセットアップし支えてくれる方々の尽力に、感謝の念に堪えない。有り難うございます。
夕方、ワークショップを終え、ひとまずホテルへ。元気な子どもたちと過ごした充実の時間。その心地よい疲労感が、これまでの旅の疲れとも相まって、一気に襲いかかってくる。
しかし、この後は、待ちに待っていたスタッフや関係者との懇親会だ!この一席も藤川さんが全てアレンジしてくれる。
ぷりぷり絶品のクエ鍋をユズの効いたチリ酢で。もちろんカツオのたたきも。そしてトドメは「酒盗」。これで地酒をチビチビやるのだから、もうたまらない。(最後には「ミレービスケット」も登場したけれど、高知だと酒席の締めのミレーは、スタンダード?)
メンバーは、今日お世話になった方々総勢11名。皆さんとってもバイタリティのあふれる方々ばかりで、本当に楽しい会食でした。特に、高知の女性は元気だなぁ!と、感心。
…つづく