写真、映画、戦争

■午前、隣町で開催中の二科会北海道支部写真展を観る。数日前に知人で二科会員のFさんよりご案内いただいていたもの。
■ああ、たくさんの写真を撮る人がいて、そして、たくさんの写真があるのだなぁと、つくづく。そしてやはり、「写真て、なんだ?写真を撮るって、何のため?」と考えてしまった。もちろん自分のこととして。
■夕方、先日「不都合な真実」上映が行われた同会場で、知人でありまた一緒に仕事をする仲でもあるドキュメンタリ映画監督・藤本幸久の講演&映像上映。僕が撮影に携わったシーンも登場するので、関係者として参加。
■藤本の次回公開予定作品は、イラク戦争を切り口にして「アメリカ」という国を見つめるドキュメンタリー作品。
■前作「Marines Go Home 辺野古・梅香里・矢臼別」では、米軍基地問題から、アメリカという国が自国の「外側」でどのように戦争の準備をし、戦争をしているのかを見つめた。
■次回作では、その視点をアメリカの「内部」に向け、「戦争を仕掛けている国では、どんな人々がどのように戦争と向き合いながら生きているのだろう」という視点で撮影が進んでいる(なお、今作の方の撮影には、僕はいまのところ関わっていない)。
■イラクで愛息を失った母親たちの悔やみ切れぬ後悔の声。戦地で何人ものイラク人を殺し、結果、重いPTSDに苦しみ続けるイラク帰還兵の若者。サマワ付近で劣化ウラン弾被爆した帰還兵。軍事費に国家予算が食いつぶされる中で増加する生活難民、ホームレスの人々。
■それら「戦争をする側」に属する人々の声に耳を傾けると、戦争というものが人々の暮らしや心、生命に、一体何をもたらしているのか、その現実の一端がよく見える。
■藤本は、アメリカ取材の実感として、アメリカを蝕んでいる「格差社会」が戦争を下支えする要因になっていると言う。
■イラクに派遣される兵士の多くは、家庭の所得が低いために大学進学やまっとうな就職が望めない経済的弱者層の若者達だそう。金がないものは、軍隊に入るのが一番確かな「生活保障」なのだそうだ(アメリカの公的健康保険制度の不備、被保険率の低さはよく知られているが、軍隊に入れば健康保険にも自動的に入れる)。
■戦争が泥沼化し、軍事費が国家予算を圧迫、格差と貧困が助長され、結果それが「徴兵効果」を生み、泥沼の中へ次から次へと新たな兵隊を送り込む。なるほどな、言葉は不適切かも知れないが、うまく繋がっている…。
■アメリカの病巣は深い。
■そして、忘れてはならないこと。それは、いまこの日本がそのアメリカと「一体化」したがっているという現実。「国際貢献」「わが国の国益のために」と言いながら、軍事基地も作ってあげ、油も提供し、国債買って下支え。最後は、一緒に戦争ができるように憲法を変えるのだそうです。
■ところで、日本でもなにやら格差社会化と貧困化が進んでませんかね。一流企業は過去最高の営業収益だと喜ぶ裏で、ネットカフェで夜を過ごすアルバイト青年たち、灯油代をどう節約するかに悩む年金暮らしのお年寄り。もしかして、こんなところでもアメリカと「一体化」?気のせいだといいけど…。
■車のアイドリングを止める前に、レジ袋を使うの止める前に、もっと急いで「止める」べきこと、否「止められる」ことがありそうだ…と今日も強く思った。