憲法と『課長島耕作』

昨日の北海道新聞、2面構成で特集されていたある2氏へのインタビューが目を引いた。改憲に対する異なる意見がそれぞれ掲載されていた。
一人は護憲の立場から、経済同友会終身幹事・品川正治氏。経済界の人間にして護憲派とは、いまの社会の現状に照らせばユニークだが、’24年生まれの戦中派としての氏の言葉にはやはり、戦争や軍隊そのものへの忌避の感情が強く感じられ、その「体験」に基づく改憲反対論には、個人的にうなづける部分が多かった。
― 憲法を変えただけで戦争に結びつきますか。
「『そんなことあるわけがない』という価値観が転倒するのが戦争なんです」
それに対し、改憲の立場でインタビューを受けるのは、漫画家・弘兼憲史氏。『課長島耕作』の著者だ。安倍首相がリードする「美しい国づくり企画会議」の委員でもある。
氏の論旨は「現状として日本は軍隊と呼べる兵力をすでに持っている。また、世界には戦争・紛争が現にあるのだから、それに対してただ資金援助だけをするようなこれまでの日本のあり方はおかしい。現状に則して、憲法、特に9条は改正されるべきだ」というもの。
そんなにやすやすと「現状」に流されて、どうすんの。情けない。
氏によれば、実際には軍隊をもっているのに「軍隊を持たない」と宣言するのは「うそつき」だとのこと。つまり現行の憲法九条は「うそ」条文なのだと。
主客転倒。いまのうそつき状態は、歴代政権がきわどい解釈を重ねてきたから。
また、他国で起きた戦争・紛争に兵力として参加しない日本を、台風災害の復旧(土のう積み)に「ママにやっちゃいけないと言われているから…」と手を貸さず、復旧作業者に弁当配りだけをしている子どもに例えて、「(それでは)土のうを積んでいる人たちがかわいそうじゃないですか」と言いい、湾岸戦争を例にとり「みんなで手を携えて戦闘に加わらなければならない」と。
戦争は、自然災害か?いや、まぎれもない人災。また、「土のうを積む」ことと、銃や大砲をいわゆる「敵」に向けてぶっ放すのは、全く別次元のお話。意図的に幼稚さを演出した例え話で主題を矮小化するのって、どうなの?「表現」を生業にする人の言葉とはとうてい思えないけど。幻滅。
あと、弘兼さんの持論では「やむを得ない正義の戦争というものは必ずあるんです」。この人は、60数年前の手痛い失敗から何も学んでいなのかなぁ…。「アジアの正義と平和の為」と喧伝された戦争で、あれだけたくさんの無辜の市民が流さなくてもよい血と涙を流したというのに(現に、いまも流しつづけている)。
「正義だろうがなんだろうが、戦争は絶対にしちゃいかん!」と声をあげることを、どうして避けるの?どうして「現状が…現状が…」と、現状に負けつづけるの?
まだ書きたいことはあるけど、長くなるからやめる。
あと、昨日の北海道新聞の社説は「貧困を許さぬ生存権こそ―憲法施行から60年」。その前日の赤ちゃんポストの日記で言いたかったのは、これ。
ゴールデンウイークもあと2日、みなさん、よい休日を。僕はこれから娘とお散歩。