新作その後

■夜。子ども達と寝床へ。子ども達はめいめいお気に入りの絵本を手に。今宵はきつねさんの絵本を読んであげて、満足!はい、君達は、ねんね。
■で、おとーちゃんはというと…きつねさん絵本を自分の新作ダミーに持ち替えて、さあ、推敲、推敲。作品の完成度を高めるべく、各ページに目を通します。
■と、すかさず次女が「おとーちゃん、それ、ちょーだい」。
■「読んで欲しいの?」と聞けば、「ううん、よむ、いい(=読まなくていい)。」という、そしてまた「それ、ちょーだい」。
■そうか、そうか。きっと次女は、まだなにかほかに読みたいお気に入り絵本があって、それを読んでもらいたいので、いまおとーちゃんが手にしているこのダミーが邪魔なのだな――
■「はいはい、これ、いらないのね。どうぞどうぞ。で、つぎは何読むの?」とダミーを手渡す。すると、次女、「これ、よむ」。そうつぶやいたと思ったら、一人でそのダミーのページをぱらぱらと繰り始めたではありませんか。
■おや、なんと。
■声にならない声で何事かをつぶやきながらページをめくる次女に、おそるおそる、「その本、好きなの?」と聞いてみました。すると、目はページを追いつつも、「うん、これ、すき」と。
■あら、うれしい!なんとうれしいじゃないですか。そうです、その本は、あなたのために作ったのですよ!
■手当たりしだいではあるけれど、黙々とダミーのページをめくる次女。僕はその様子をニヤニヤして見守る。
■しかしほどなく、次女は静かに目をとじて、すうすうと寝息を立て始めた。その手に、しっかりダミーを握り締めたまま――。
■さて、ではでは、じっくり推敲させていただくことにします。あなたの本。