新宿写真展・11日目

会場に入る前にニコンサービスセンターへ。使用機材のオーバーホールを依頼してきました。たいした使用頻度でもないのですが、やはりメイン機材はまめな手入れが欠かせません。撮影がない個展期間のうちに済ませてしまおうと思い立ち、急遽持ち込むことにしました。でも、オーバーホールって結構高いのです。必要な経費とはいえ、辛いな…。
さて会場入りしてしばらくした頃、二組の母子親子連れがご来場。お母さん同士がお友達なのでしょう、それぞれ2~3歳くらいのこどもを一人ずつ連れて、4人で楽しそうに写真を見ています。その手には、この写真展のDM案内ハガキが。誰かの紹介で来たのかな。
話をしてみると、僕の友人Mちゃんのお友達でした。いまMちゃんはお連れ合いと一緒に四国へ移住し農業をやっていますが、大学在籍中は帯広在住。ある仕事をきっかけに僕らは十勝で知り合いました。で、今日写真展に来てくれた方は、Mちゃんの大学時代のサークル仲間。つまりMちゃんと同様に、数年間十勝・帯広に在住していたわけです。
僕はなんだか、俄然彼女らに親近感が湧いてしまい、写真解説そっちのけで、彼女らの可愛いお子達とすっかり仲良く遊んでしまいました。
午後には「帯広出身です」という若い女性が来場してくれました。僕の住所が帯広の隣町だということを知り、話しかけてくれました。彼女の実家の近辺が大型ショッピングセンター建設で大きく様変わりしたことや、僕のカミさんがその近くの某会社で働いているということ、また、彼女の出身高校のまわりにはいまやローソンができて、ホーマックができて、シマムラまでができて…と、話はもう、すっかりローカルな話題に。
夕方には夕方で、小樽出身で、一時釧路にも在住していたというかたも現れ、「釧路の太平洋炭鉱の閉山は…」などと、やはりかなりローカルな話を。今日はすっかり「北海道デー」でした。
ほかには、2度目のご来場・知人のKさんがお友達を二人引き連れてみえました。お友達のうちお一人は、都内であるNPOを立ち上げて地元小中学校の教育環境活性化を図っているという女性。「自分の子供の母校が生き生きとし、地域の子供たちがのびのび成長していけるよう、大人としてできることを地道にやっていきたいんです」と、運動や音楽を取り入れたさまざまな企画を地域の子供たちに提供している方です。とても前向きな方。で、僕も彼女の意見・意向に大賛同。森の写真でなにかできないかなぁと思いました。
そうそう、今日は僕の作品を観ているうちにぽろぽろ涙をこぼした女性が。僕の友人の友人なのですが、何か特別に感じ入るところがあったのでしょうか。感想ノートには「こんな気持ちになった写真展は初めてでした」と。どの作品も大変地味なものばかりなのですが…。
多分、彼女の中にあるとても個人的な感情の琴線に、僕の写真の「何か」がちょこんと触れたのだろうと思います。でも、それは作者が全く予期しえぬこと。改めて、映像が持つ不思議な力、そして、作品を人に見てもらうということの重さを感じたような気がしました。
もちろん、僕の写真が彼女の心を動かしたのならば、それは写真家冥利に尽きる嬉しいこと。たとえそれが涙でなく、喜びでも、驚きでも、もしくは底知れぬ不安でも、理屈を超えたところで何かしらの思いを抱いてもらえたということは、写真展をやってよかったなぁと心から思える出来事です。
さて、今日はいつもよりちょっと早めに会場を後にし、僕の地元の幼馴染たちとの「同窓会」に参加。会場は30余年来の腐れ縁、I氏の自宅で。じつは僕には幼稚園以来(中には母親のお腹のなかにいたときからの)の長い付き合いを続けている友達が十数人いて、最近は僕が北海道から帰った折などに、それぞれの連れ合いや子供たちと一緒に集まってワイワイと近況報告などしあいます。
気の置けない仲間との他愛もない会話。余計な気遣いも遠慮もなく、そして、何の目的もない、ひたすらに下らないおしゃべりの時間。でも、そんなものがとてもありがたかったりするのですね。30歳を過ぎて、最近特にそれを感じます。
うちの子にも、30年後にこんな風に集まれる友達がたくさんできるといいなあ。