時々、しんどい方を選ぶ

■多種多様なものごとを、特徴毎に「分類」し「区別」し「色分け」し、ある「ルール」のもとでまとめて取り扱ってしまえば、楽です。
■たとえば「これはアカい」とか「クロい」とか。「馬だ、鹿だ、ムジナだ」とか。
■で、それらをまとめてアカい袋やクロい袋に放り込んだり、馬や鹿の壁で囲って「管理」しておくと、楽です。
■正直に告白すれば、僕も、そうして楽をすることが好きです。「分類(カテゴライズ)」すること自体が、多分、大好きです。
■特に、雑多なものごとを自分なりにうまく「カテゴライズ」でき、それを効率的に「処理」できたときなどは、快感すら覚えてしまいます。根っからの、所謂「理系」なのかもしれません。
■でも、そんなふうに、効率化の果ての楽をこそ好み、ものごとをうまく切り分ける気持ちよさに酔ってしまいがちな自分の性癖を知るだけに、ときに、かえってそのことを危うくも感じ、そうした楽さや気持ちよさから遠ざかっていなければな…と思うのです。
■複雑なものごとを複雑なまま目の前におき、ましてやそれと何らかの関係を持とうなどとすることは、(本気でやれば)結構しんどいこと。
■でも、ときには、あえて自分の意思で、そうしたしんどさの内に我が身を浸してみる必要があるように思うのです。
■実際、しんどい世の中です。
■しんどいからこそ、楽もしたくなるわけです。
(そう考えると、多分、しんどさがいのちの根源です)
■そう思う一方で、世の中はそもそも、しんどくてナンボのような気もします。
(やっぱり、しんどさはいのちの根源です)
■そのしんどくてナンボ、こんがらがってナンボの、この手には到底負えそうもない「世界」や・「わたし」や・「あなた」を、ときどきは、そのしんどさのままに抱きとめなければなぁ…と思うのです。
■もしそれをサボってばかりいると、結局は僕自身が、他でもないこの我が身を「アカだ、クロだ」と切り刻み、知らず知らずのうちに「処理」していた、なんてことになりそうです。
(しかも、多分そのことで、他の誰ならぬこの僕自身が、ひとときの安楽を覚えさえするのです)
■苦笑いしながらでもいい。しんどさを抱きとめる柔らかな身体とこころが欲しいです。