本を「聴く」ことができるように

4歳の娘、絵本も好きだが、最近では「読み物」も楽しめるようになってきた。といっても、字はまだほとんど読めない。聴くだけだ。
今、寝る前のひとときに楽しんでいるのは「ビロードうさぎ」(童話館出版/マージェリィ ウィリアムズ 著、石井桃子 訳, ウィリアム ニコルソン 画)。札幌の絵本屋店主Aさんのオススメだ。
数ページの美しい挿絵はあるが、基本的には、ページにびっしりと漢字も交えた字が書かれた読み物。
娘にはまだわからない単語や言い回しが多数あるらしく、僕の読み聞かせを聞きながら、ところどころで「ねえねえ、○○って何?」と質問を連発する。でも、その視線は文字のならんだページをじっと見つめており、彼女は彼女なりに集中していることがわかる。
お話に登場する事物の正体や具体像は掴みきれていないにしろ、聴いた字句は結構正確に覚えていて驚かされる。物語自体もしっかりと把握している。何より、そこにこめられた主題の意味を、彼女なりに確かに感じとっているようだ。
徐々にひらがなに関心を覚え始めてもいる。「ことば」という媒体自体の存在意義や意味を、わずかずつではあるが、意識し始めているのだろう。いや、単に「ことば」を繰る新たな手法を手にすることが楽しいだけかもしれない。
とまれ、彼女はいま、奥深い「ことば」の世界のとば口に立っている。
僕自身はあまり熱心な読書家ではないが、「本」や「ことば」というものがもつ底知れぬ魅力はわかるつもりだ。娘にはどうか「ことば」を大切に聴き、読み、繰ることができる人間になってもらいたいものだと、親バカながら願わずにはいられない。
二枚舌で弱者を切りつけるような「ことばの暴君」「詭弁家」や、逆に、重みをそがれた軽いことばばかりを喋らされているメディア(媒体)人間がはびこるこの世の中では、特に。
さてさて、娘に「エルマーのぼうけん」「モモ」、果ては「ゲド戦記・影との戦い」を手渡せるようになるのは、いつだろうなぁ。いまから楽しみだ。