札幌・1日目

新宿写真展は継続して開催中。でも、所用で今日から4日間札幌へ行くことに。
僕は北海道在住者なのだから「札幌へ行く」なんていわずに「戻る」「帰る」と表現したいところなのですが、今回は自宅のある十勝へは戻らず、丸4日間、ずっと札幌滞在なのです。JRに2時間も乗れば、いとしい家族のいるわが町なのですが…。おとうちゃん、さびしい…。
そんなわけで今朝は、羽田に向かう前に1時間だけ新宿の会場へ。やはり今日も朝イチからお客さんが数名。そのうちのお一方が「森のいのち」をお求めがてら、声をかけてくださいました。僕のカナダ滞在時の友人A子の紹介で来ていただいたとのこと。登山を趣味にされている方らしく、北海道の山の話で盛り上がりました。
その方は初老の紳士なのですが、今から20年前に北海道の脊梁・日高山脈をバリバリ登っていたのだそう。今でこそ北海道の山々は「百名山ブーム」や俗に言う「中高年登山ブーム」で本州の人にとってもかなりなじみが深いものになりましたが、その昔は、特にその奥深さと険しさで知られる日高山脈など、よほどの山好きしか足を踏み入れない聖域でした。いまでも岳人たちの間では、アプローチの長い「高難易度エリア」として通っています。
当時、そういった深遠な自然の只中に切り込み、ルートさえも定かでない険しい山行をされていた方に対し、僕の如き北海道に住んで10年そこそこの若造が撮った写真を「北海道の自然です」などとお見せするのはお恥ずかしい限りで、正直、すこし恐縮してしまいます。
しかし、その方も今回の展示や「森のいのち」をとても喜んでくださいました。常々僕が撮りたいと思っている「小さくて何気ない自然の営みの中に潜んでいる何モノか」を、きっと感じ取っていただけたのだと思います。この方のように無垢な自然に直に触れてこられた方に、そのような思いで撮影した写真を喜んでいただけたことは、とても嬉しいことでした。
その後、新宿で簡単な昼食を済ませ、羽田空港へ。午後2時からのフライトは、ほどよい満腹感もあって、絶好のお昼寝タイムでした。新宿の会場での「人疲れ」もあったのでしょう、機内ドリンクサービスに気づくことなく熟睡し、起きてみればもう千歳についていました。
冬場に北海道に飛行機で戻った時にいつも感じることなのですが、僕は、飛行機内からボーディングブリッジに出たときのなんともいえない清涼感が何よりも大好きです。暑苦しい機内を一歩出て北国のすっと冷えた空気に頬が触れるあの瞬間。「ああ、北海道に帰ってきた!」という幸せ感がブワーっと湧き上がります。だから僕はいつもボーディングブリッジをわたる時には怪しいほどにニヤニヤしています。
ついでに、札幌へ向かうJRに途中から乗り込んできた女子高生たちの、化粧っ気の無い、洗練されないもっさり感に、ああ、ここは東京ではないのだ、僕の暮らす北海道なのだ、とついつい嬉しくなってしまうのです。