祈り

何のために祈るか。何に向かって祈るか。誰のために祈るか。
たぶん、そんな「何」や「誰」や、もしかしたら「我」さえも、すべてが見えなくなってしまったときにこそ、その深い暗がりの淵で、祈りは祈られるのではないか。祈りはうまれるのではないか。
3月の森の、木々の梢の小さな冬芽が、静かに静かに膨らみをましてゆくのを見るたび、木々はそのように祈っているのかもしれないな、と思う。