秋田・森吉山より-3

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昨夜、車の中で寝ていたら、23:30頃、窓をコンコンと叩かれ起こされた。窓の外で「ちょっといいですかぁ」と、懐中電灯でこちらを照らす人あり。警官だった。そう、職務質問というやつだ。
「旅行中ですか?ああ、北海道からですか。すいませんけど、ちょっと免許書見せてもらっていいですか?」
眠たい目をこすりながら言われるがままに。しかし、うーん、気持ちよく寝ていたのに…。さすがに少し気分が悪い。
じつは以前にも山形県で同様に車の中で寝ているところを職務質問されたことがあった。ただしそれは、ちょうどサクランボ収穫時期で、なおかつサトウニシキ泥棒が頻発し全国のニュース沙汰になっていた時に、こともあろうか、たわわに実ったサクランボ園の傍らで車中泊をしようとした僕の致命的なミスが原因だった(笑)。
しかし今回は、道の駅での車中泊だ。24時間トイレの開いている道の駅では、全国津々浦々、旅行者や長距離ドライバーたちが日常的に車で寝泊りしている。
「町の安全を守るため、不審車両をチェック」とのことなのだろうけれど、場所によっては状況を察して見逃してくれても良いのにな…と内心で思いつつ、警官には「はい、ご苦労様」と言って、再び寝袋に包まった。
で、再度寝入って1時間ほどして、今度は「ごろごろ、どーん!」という轟音で目が覚めた。落雷だ。近くに落ちたみたいだ。気がつけば外は土砂降りの雨だった。車の屋根をバラバラと物凄い音を立てて雨粒が打ち付ける。
待ちわびた雨ではあったけれど、まさかバケツをひっくり返したような豪雨になっていようとは。ごろごろごろ。また雷鳴が響いた。
警官とカミナリ。これは「寝ちゃいかん」ということか…。それからはもう寝付くことも出来ず、うつらうつらとしながら時を過ごし、2時半になったので、森吉山麓の森へ向かった。
森につく頃には雨は小降りになっていた。
ブナの幹、ホオノキの葉、林床のシダがしっとりと濡れそぼり、なまめかしく照る。昨日までと同じ場所なのに、森全体がまるで淡いブルーのフィルターかけたように清々しく、周囲には匂い立つような生気が満ちている。ああ、なんて美しいのだろう。僕は、雨の森が大好きだ。
森の神様は最後にごほうびをくれた。森吉の森よ、有難う。僕はいつもよりもゆっくり歩き、つやつやと輝く草木をめでながら、東北遠征最後の森散策を心ゆくまで楽しんだ。
さ、これから秋田市内へ向かう。明日の朝7時発のフェリーで北海道へ帰る。長い旅だった。家で待つカミさんと二人の娘に、早く会いたい。
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写真は、晴天に輝く森吉の森の木々たち。しらじらしく散策路を歩くのは、セルフタイマーを押してからダッシュしてフレームに収まった某写真家35歳。