空想の森

■前の日記の”弱音”に対して、幾人かの方から「気にすることなし!」というご連絡を頂きました。本当にありがたいことで…。
■喋る本人としては「果たして、語るべきことばでしっかり語りきれたのだろうか…」と心配していても、それを聞いてくださった方々には、じつはこちらが望んでいる以上に充分真意が伝わっているということがあるのですね。
■先日の講演内容やお目にかけた写真が、少なくとも幾人かの方々にはちゃんと届いたことがわかり、ほっとしています。そして、単純な僕はそれでもう、昨日の弱音はどこへやら、今日はとっても元気です。
■さて今日は、帯広在住の友人・田代陽子の初監督ドキュメンタリー映画「空想の森」のお披露目上映会が新得で行われたので、出かけてきました。
■十勝・新得町に住むある2組の家族の日々の暮らしを丹念に取材した作品です。監督やスタッフが、登場人物たちの生活に入り込むようにしながら撮影をすすめ、クランクインから実に7年の歳月を経てようやく完成しました。
■僕にとっては、さまざまな個人的いきさつがあり、その完成がいつになるのか、そして何より、その内容がどのようなものになるのかがとても気がかりだった作品です。
■でも、監督本人が舞台挨拶で「いまできることはすべてやりきった」ときっぱり言い切ったとおり、淡々とした中にずっしりと内容のある、世に出す意義をもつ、優れた作品に仕上がったと思います。
■新得の風土とそこに生きる人達の日常の生活のなかに監督が見つめようとしたもの、表現しようとしていたものが、とても純粋な形で、暖かな情感をともなって、実に美しく写し取られていました。
■「ああ、真に豊かに生きるってのは、こういうことかもしれないな…」。ワンシーン、ワンシーンを観ながら、自分の中に自然とそんなことばが湧き上がってきます。登場している人々はみな、僕にとっても友人知人であるにも関わらず、です。
■念のため書いておきますが、僕がこの作品をここで好評価しているのは、それが”身内”の手による”身内”を描いた作品だからでは全くありません。
■もし”身内”である田代陽子が仮に”内輪ウケ”でしかないような中途半端なモノを作ってしまったのであれば、僕はその映画の完成をここにこのような形で紹介することもかなったでしょう。
■掛け値無しで言えます。この映画は、自らの足でどっしりと地を踏みしめる、自立した、確かな質感をもつ作品です。
■この不定期日記を読んでくださっている皆さんへ。
■もし近隣で映画「空想の森」の上映が行われるならば、ぜひご覧下さい。
■そして、約2時間のこの作品のなかに、「ともに生きることの豊かさ=土とともに・他者とともに・家族とともに・そして”自分自身”とともに生きることの素敵さ」をもし感じ取っていただけたならば、僕はとっても嬉しいです。
■生きるってのは、なかなかにいいものです。
ドキュメンタリー映画 『空想の森』
田代陽子監督作品/日本/2008年/ビデオ/129分
【上映予定】
帯広 4月5日(土)18:30~ 十勝プラザ レインボーホール
札幌 4月12日(土)19:00~ エルプラザ3Fホール 
東京 4月20日(日)19:00~ 文京シビックホール
*7月28日からポレポレ東中野(東京)にて公開決定!