絶望を拒む

■昨夜、知り合いの新聞記者さんから個人的なメールをもらった。
■彼はパレスチナ関係での現地取材経験もある記者さん。一昨日僕は、いまのパレスチナの情勢に関して抱いている僕の思いやつぶやきをメールにて聞いてもらったのだが、それへの返答を頂いたのだ。
■彼は、数年前に彼が現地を取材して書いた記事の写しをメールに添付してくれた。
■そこには、かの地において長い歴史のなかで絶えず繰り返されてきた「終わりのない憎悪の連鎖」、つまり、パレスチナ問題の混迷の”絶望的”な深さが描かれていた。
■しかし同時に、彼はある一人のイスラエル女性(夫をパレスチナゲリラに殺された)が言った「(父親を知らない)私の娘と同じように、パレスチナ人も苦しんでいる。私たち(イスラエルとパレスチナ)は一緒になって良い関係を築き上げていくべきだ。」という言葉を紹介し、そのあとに次のように書いて記事を締めくくった。
「憎悪と不信を乗り越え、理解し合うのは決して容易ではない。しかし、少なくとも彼女はそれを実践している。その存在は大きな救いであり、絶望するには早すぎる、と励まされるのだ。」
■現在メディアを通じて垣間見るパレスチナの現状は、やはり、もはや絶望的ですらある。
■でも、目の前に突きつけられた絶望を、苦しみながらもなお断固拒もうとする当事者たちがいる。
■僕は、以前何かの折に観た、たしか東欧の民族紛争に関わるドキュメンタリーフィルムで、テロで家族を殺された女性が苦渋の表情を浮かべながらも口にした次のようなことばを思い返した。
「(家族が殺されたことを)私は許せません。許せませんけれど、私は、許そうと思います」。
■また、数年前にある仕事で韓国に行った折、戦前戦中に日本が行った朝鮮人強制労働の真相解明のためのシンポジウムの席上で、自身も当時強制労働に従事させられた高齢の韓国人男性がき然とした口調で語った次のようなことばも思い返された。
「当時日本が行ったことの問題や責任の所在を明らかにしていく事は必要です。でも、一方で、私たちは、その後私たち自身の国や政治がその問題に対してどのような姿勢をとってきたのかを自ら検証する事も忘れてはなりません。」
■それら、深い傷を負った痛みの当事者自身による壮絶な意志表明に、僕は、押しつぶされてしまいそうなほどの切なさを感じ、打ちのめされそうになってしまった。
■けれど、僕はそこで一つのことを学んだような気がする。
■真の絶望や断絶というものは、それを受け入れてしまったときにはじめてたち現れるのかもしれない、と。つまり、絶望や断絶は、断固として拒み得るものなのかも知れないと。
■絶望を”選ばない”という意志。絶望や断絶に一切を”委ねてしまわない”という人間の在り方。絶望を絶望のままで放置し、為すに任せておかない、という在り方。
■それはきっと、絶望的な状況に置かれた当事者たちのみならず、それを周辺で眺めている僕らもまた持ち得るものであるし、むしろ、痛みの核心ではなく周辺部にいるものこそが、ことさらに強く持ちつづけなければならないものなのかもしれない。
■パレスチナ問題に限らず、混迷を続けるイラク、アフガン情勢にしろ、印パ情勢にしろ、そして、いまだに深い傷を残しつづける朝鮮半島や中国を始めとする東アジア諸国と日本との関係にしろ、はたまた、いま日本を覆う暗雲の如き社会状況にしろ、「絶望と断絶を頑なに拒否しつづける意志」が一筋の光明を灯す、といまは信じるしかない。
■絶望を拒む。それは、口で言うほど簡単なことではない。
■しかし、僕はその困難に立ち向かう姿の中にこそ、ニンゲンのニンゲンたる由縁を見る。大袈裟に言えば、ニンゲンの尊厳、素晴らしさ、そしてニンゲンがニンゲンたる意味を見る。ニンゲンを諦めてはいけない。
■確かにニンゲンは救いようがなく愚かな動物だけれど、それでもなお、ニンゲンはなかなかに素晴らしいものだと、僕は信じたい。
■とにかくいまは、ガザでの惨状、なんとかしたいものだ。
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所属するML経由で次のような情報が来たので、一部だけ転記。
    JVCパレスチナ・ガザ支援のお願い
イスラエル軍は、パレスチナ・ガザ地区に空爆および
艦砲射撃を加えた揚げ句、遂に陸上部隊を侵攻させました。
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     日本国際ボランティアセンター(JVC)
 パレスチナ・ガザ地区への緊急支援にご協力ください    
     ●クレジットカード募金も受付中!● 
    
       http://www.ngo-jvc.net                           
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お正月の間も、攻撃を受け続けるパレスチナ・ガザ地区から
JVCのもとに、苦しい状況を伝える声が届いています。
「診療所は負傷者であふれている」
「皆で毛布に包まって寒さをしのいでいたら、爆音がして家の窓が一斉に割れたの」
http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/palestine/200812gaza.html#fromgaza

すでに犠牲者は400人を超えました。
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