釧路

■10日は、日中ばたばたと在宅仕事を片付けて、夕方、釧路へ。昨年末からメールのやり取りをしているFさんと会うためだ。Fさんは、いつか僕のスライド上映会を釧路でやりたいと思いを温めてくれている。そのことの打ち合わせも兼ねて、ある会食の席で久しぶりの再会を果たした。
■Fさんと会うのは実に8年ぶりだ。しかも、8年前の初めての出会いにしても、阿寒で行われたあるイベントで名刺交換をした程度のもので、会話らしい会話もほとんど持たなかった。
■けれど、一昨年僕が出演したTV番組を観、また雑誌連載を読むなどして、Fさんは僕を思い出してくれたそうだ。そして、このHPを通じて連絡をくれた。
■一表現者としては、スライド上映の機会を与えてくれたこと自体がとても嬉しい。しかしそれ以上に、ほぼすれ違っただけともいえるような一人の人間の存在を8年間も心に留めていてくれ、その長い時間を越えて、こうして再会のきっかけを作ってくれたということが、僕にとっては本当に嬉しい。
■短い時間ではあったけれど、Fさんと話をした。熱い思いを持った人だ。生きるということ、いのちというものに対して、とても真摯に向き合っている。それも、肩肘をはることなく、格好つけることもなく。
■こうした人の話を聞かせてもらうと、とても心地がよくなる。また、怠惰で後ろ向きな生き方になびきがちな自分の背筋がしゃんと伸びるような気もする。
■何を話したのか、その内容や過ごした時間の長さではなく、言葉や振る舞いににじむFさんの人柄が、きっとそうさせるのだろう。そうした人と再会を果たすことができ、おまけに、これから一緒に何かができそうだ。嬉しい。
■じつは、その会食の席には、これも会えて嬉しい釧路出身写真家Nさんがいた。というよりも、僕が飛び入りさせてもらったその会食の席はそもそも、Nさんの講演会の打ち上げ交流会だったのだ。
■個人的には、今のアフガンのことやイラク・イランのこと、南米諸国の現在、Nさんの戦争観や平和観など、聞いてみたいこともいろいろあったのだけれど、残念ながら深い話はできず。
■夜もすっかりふけたので、会はお開きになり、僕は翌日の撮影のため阿寒湖方面へ。
■釧路の平原を北へとひた走る道中、あまりにも美しい満天の星に、ときどき車を停めてはヘッドライトを消し夜空を見上げた。いや、見上げる必要はない。ぐるり地平線の際からもうすでに星空なのだ。
■放射冷却で冷え込んだ冷気が体表からキンキンと染み入ってくる。ああ、北海道の冬だ。北の冬だ。ぶるっと身震いしながらも僕はなんだか無性に嬉しくなり、その場所で車中泊することを決めると、いそいそとシュラフにもぐりこんだ。