雨の奥入瀬渓流。ブナやサワグルミの青葉がざわざわと騒ぐ。台風崩れの雨雲は、昨夜からずっと本気で雨を降らし続けている。ひっきりなしに落ちてくる雨粒の、忙しそうなこと。
今朝はゆっくり起きて車の中でインスタントコーヒーなど飲んでいる。撮影は後回しにして、今はさんざ降る雨の様を楽しむことにした。
ふと、先日訪ねた石巻と陸前高田を思い出す。「地盤沈下して水がなかなか引かず、雨が降るとうちの前が冠水するんです…」と嘆いていた友人。今朝は、どうしているかな。子どもたち、長靴はいて学校へ行くのだろか…。
そして、すっかり過去のことのようにされている東電福島第一原発を思う。この大量の雨水は、今やどこでどんな挙動をしているか誰にもわからないメルトダウン核燃料と、果たしてどんな関係を持ち、その後、どこへどう流れてゆくのか…。
誰か、わかる人がいたら教えて欲しい。
そう、いまなお原発の「安全・安心」を説く人よ、教えて欲しい。もし天が上や地の底で起こる出来事にも自信をもって「予測可能!対応可能!」とのたまうならば。そして、それを根拠にどうしても「再稼働」を云々したいのなら、せめていま福島の地の底で起こっている出来事をあからさまに説明してからにしてくれないか。
車窓の外。せわしい雨が奥入瀬の木々を洗い、森を洗う。しかし、大地を清らかに満たすこの大いなる慈雨も、ヒトが大地に刻み込んでしまった焼け爛れた汚点をきれいに拭い去ることはできない。ヒトは(僕は)、反省しなくてはならない。