不定期日記

絵本屋南風「かぜのおとライブ!」、楽しかった!

18日は、札幌市里塚にある「絵本屋南風」さんで、
ライブペインティング+音楽+朗読+写真のコラボイベントに参加しました!
即興パフォーマンスの醍醐味が目の前で味わえるということで毎年好評をいただいているこの催し、
今回もなんとも言えぬ濃密な「生」感に包まれた素晴らしいものになりました!
「風」をテーマにした今回の催し。
昼過ぎから始まったプログラム冒頭は、
僕が当日午前中に撮影した会場内外の写真をスライドショーにし、
そこに音楽家出町考平さんが即興でピアノ演奏を添えるというもの。
音楽やペインティングと違い、「写真で即興」っていうのは仕組み上かなり難しいのですが、
でもやはりここは写真家もなんとか少しでも「生」な仕事で応えたいと、
スライドショーの構成や撮影する写真はあえて事前に構想を組まずに
現場でのインスピレーションに頼って撮影をしました。
絵本屋さんの素敵な庭の写真を何カットか撮っているうちに、
だんだん自分自身が「風」になって草木の間を彷徨っているような感覚になってきました。
「そうか、このカメラは風の眼なのだ!」。
 空からふうわりと“一人”の風が地上へと降りて来た。
 そこは、玄関先に「南風」と表札のかかった白い一軒家。
 風は「南風」の周りに生える愛らしい草花を愛でながら、庭の中を吹きめぐる。
 と、不意に、建物の2階の窓がほんの少しだけ開いていることに気づく。
 そこからそっと屋内に忍び込む風。
 と、そこには、あ…なんてたくさんの絵本たち。
 優しく、色とりどりの表紙。
 ぎっしりと書棚に収められ、読む人が手に取るのを静かに待っているたくさんの背表紙たち。
 そして、その絵本たちにまぎれてところどころに飾られた、絵本店主の思いのこもった小物の数々。
 ああ、なんて素敵な空間なんだろう……
…というように、夢のようなスライドショーを組みたかったのですが…
ああ、現実は、まあ難しいものでござんす…。
頑張ってはみたものの、開演時間に間に合わせるのが精一杯の粗い編集になってしまいました。
とほほ。
即興芸術の難しさと偉大さが、また一つ、ほんのりわかった気がします。
出番のもう一つは、恒例となった、
絵描き近藤康平さんのライブペインティング、音楽家出町考平さんのピアノ演奏と、
僕自身による自作朗読によるコラボレーション。
もともとは既存作品(『いっしょだよ』)を読む気でいたのですが、
プログラムが進むうちになんだかムラムラと
「朗読も、既存のものを読むんじゃなくて、頭の中にある物語を即興でよみたい!」
と俄然ヤル気が起きてしまい、急遽『いっしょだよ』は取りやめ、
数年前から頭の中で温めている別のお話を口述することにしました。
いや、即興、緊張しました。
自分でやると決めたことですが、はっきりいって、胃が痛くなりました。
ただ、こちらのいきなりの方針変更を
「それが面白い」とがっつり受け止めてくれる頼もしい絵描きと音楽家の存在が、
気弱な僕の大きな支えになりました。
果たして、3者により作り上げられた世界は、
自分で言うのもなんですけど、素晴らしいものになりました。
即興、コラボ、いいですね。以上報告でした。