9月12日~22日、京都・高知・愛媛

かなりの長文になるが、この10日間のこと。
9/12
家族と夕食をともにしたあと、愛しい子どもたちに別れを告げ、苫小牧港へ。敦賀行きの2等船室には意外に旅人が多く、床の半分以上が埋まっていた。
9/13
船の上で、翌日からのワークショップやスライドトークの準備をする。パソコンが持ち運べ、どこでも仕事ができるということの、よい側面。なにしろ長い船旅だ。
あと、カンテレ奏者あらひろこさんと行う本州(名古屋、京都など)でのコラボ公演用のチラシの準備も行う。
20:30敦賀港到着。
9/14
昼前に、今回京都でお世話になる作曲家のKさんのお宅へ。今夕、二条城の近くの「アートスペースハーゼ」で行うスライドトークの打ち合わせ。Kさんも、K
さんの旦那さまも、多忙なのに、いつも笑顔で快く迎えてくれて本当に嬉しい。
食後、会場で機材設置などの準備。アートスペースハーゼは、Kさんがオーナーのイベント空間。商用ビルの地下のワンフロア。白く塗られた壁と天井に、音が良く響く。
18時30分ごろからお客様が見え始める。子どもたちの姿も。
19時スタート。いつものように、森の写真とトーク、拙著のスライド上映読み語り等を交えて1時間半。
ただ、この日は何故だか僕の中で、思いとことばの歯車がなかなかうまく噛み合ず、個人的にはいささか反省の多いトークになってしまった…。
逆に、話者がダメな分、本当の主役である森の写真たちが雄弁に物語ってくれたとしらたいいのだけれど。
イベント後は、Kさんと、翌日絵本づくりWSでお世話になる幼児教室のYさんと娘のK子ちゃん、Kさんの友人でコントラバス奏者のIさんと居酒屋で打ち上げ。鱧と湯葉が美味しかった。
ウエイターの男の子が、偶然、苫小牧の人だった。
9/15
幼児教室で、2~3歳の子どもたちとそのおかあさんおとうさんと一緒に、写真絵本づくりWS。
暑い暑い一日だった。9月中旬とは思えぬ蒸し暑さ。でも、とても天気がよくて、子どもたちもおかあさんおとうさんたちも、鴨川の散策と写真撮影を楽しんだ様子。
子どもたちが撮った写真をプリントしてみると、見事に子どもたちの個性が溢れ出していて、おもわず「うわ、すごい!」と笑ってしまう程だった。
中には、写真家・蜷川実花氏ばりの超極彩色の写真をファンタジックにとってきた3歳児もいて、大人たちは「どうやって撮ったらこう写るの?」と一同びっくり。
一方、「石と植物」というじつに渋いテーマを貫き、それを黒い表紙の絵本に仕立て上げた、いぶし銀のような3歳男子も。
他にも、天使が降りてくるような光芒と雲、地面に開いた不思議な穴、古びた茶碗の傍らに生えた一本の草、オンブバッタの超クローズアップ…などなど、子どもたちの「これを見た!キレイ・面白いと思った!だから、撮った!」という写真が目白押し。
おかあさんたちの創意に満ちた絵本作りサポートも手伝って、素敵な作品がたくさんできた。
終了後、Kさんが「ちょっと引き合わせたい方がいる」というので、K子ちゃんといっしょに3人で京都市内某所へ。
その方は、「サヌカイト」という香川特産の岩石を楽器にしたものを演奏する”サヌカイト奏者”。安山岩の一種であるサヌカイト(讃岐岩)を大小の棒板状に形成し、マリンバと同様に台の上にそれらを配置し、やはりマリンバと同様にバチで叩いて音を奏でる。
「はじめまして」とお互い挨拶をし、しばし雑談してから、実際にその「サヌカイト」の音色を聞かせていただいた。
キン、と硬質な金属音。随分と緻密な岩石の様だ。でも、単に堅いというだけじゃない。特に中~低音域の音に耳をすますと、最初の打撃音のあとに、じつにたくさんの倍音が響き出してくるのがわかる。
ある周波数だけをピュアに抽出して「音」としているのではなく、その石のもつ強弱様々な震えが混ざり合いながら届いてくるような、そんな音のあり方。
混じりけのある音、夾雑のある音、含みのある音。でもそれは、全く不快じゃない。むしろ、やわらかで、ふくよかで、心地いい。
たぶん電子楽器でない限り、そもそもほとんどの楽器において、一つの音の中にはいろんな震えが本来的に混じり合っているものなのだろうけれど、サヌカイトが奏でる響きは、それが特に顕著なように思えた。
演奏される曲(既存の、誰もが良く知っている曲だったが)を目をつぶって聴いているうちに、「曲を聴く」ことよりも、ひとつひとつの「音色を耳で追う」ことに専念している自分に気がついた。
減衰してゆく音の振幅、消え行く倍音たちを、なんとかして耳の中に引き止めておきたい、たぐり寄せていたい、そんな思いが無意識的に耳を「音色」へと向かわせる。
そしてそのうち、脳裏には、暗く広い洞穴の中に佇んでいるイメージ、そして、その岩壁から滴り落ちる水滴が岩床を叩き濡らす静かなイメージがわき上がってきた。
”岩石”を叩いて奏でる楽器の音に、なぜ”水”のイメージが湧いたのか。自分でもよく分からない。
でも、サヌカイトの音色には、何かしとやかなでふくよかな湿り気のようなものが感じられる。
岩が内包している水気か、はたまた、岩からは既に消え果てた水の「記憶」か、そんなものが音に乗って聴こえてきたのかもしれない。
じつにじつに、気持ちよく、心地よいひとときだった。
その後、いったんホテルへチェックインした後、19時から、昨日とは違う割烹でYさん、Kさん、K子ちゃんと打ち上げ。薬膳をベースとした、美味しく身体に良さそうなメニューに舌鼓を打つ。
途中、WSに参加してくれたおかあさん(”蜷川実花”ちゃんのおかあさん)も合流してくれ、ワークショップのこと、ジブリ映画のこと、出産と育児のことなど、ひとときとっても愉しい時間を過ごした。
9/16
午前中、Kさんと今後のイベントの打ち合わせ。
作曲家であり、今回の二日間のイベントをプロデュースしてくれたプロデューサーでもあるKさんは、Yさんとともに、12月にもまた僕を呼んであるイベントを京都市内で行うことを画策してくれている。たのしみだ。
昼前、高知へ向けて京都を出発。
相変わらず暑いが、兵庫を過ぎるあたりから雲が多くなる。台風15号が沖縄辺りに居座っている影響で、どうやらこのあとの日程は雨に祟られそうだ。
岡山から瀬戸中央道をへて香川・坂出にたどり着く頃には、時折スコールのような土砂降りに。
夕方、はりまや橋近くのホテルへチェックイン。
翌日からは高知での写真絵本づくりWS、3連チャン。その打ち合わせも兼ね、この三年間高知イベントで毎回お世話になっている地元ライターのF川氏ら、今回のイベント主催者と居酒屋で食事。
天気が心配だが、まずは久々の再会とイベントの開催を祝して、司牡丹で乾杯。カツオのタタキと酒盗が美味い。
9/17
午前中から香美市情報館で写真絵本づくりWS。
昨日に引き続き、朝から雨。ただ、土砂降りになったかと思えば、不意に雨がやんで雲が薄くなることもあるので、「なんとか写真撮影の時間だけでも雨がふらないように…」と願掛けをして、イベント開始。
今回のWSは、一般公募のイベントではなく、主催団体関係者によるクローズドの企画だったので、少数の参加者とじっくり時間を使って絵本を作った。
なんと、願掛け通じて、屋外撮影の1時間は青い空さえのぞく好天に。雨上がりの森で、それぞれいろいろないのちを見つめ、作品を作る。
終了後、翌日のWS開催地である四万十市へ移動。
しかし、京都を出てから、車の調子がおかしい。エンジンルームから異音。
じつは以前にも、エアコンを多用した際におなじ箇所(エアコンのコンプレッサーやオルタネーター、クランクプーリ)が壊れた経験があるので、今回京都でエアコンを使いまくったことを考えると、またおなじ不具合だと思われる。
状態が悪化しないよう、だましだまし、高知市から四万十川をめざして走り、なんとか無事到着。
地元で有名な「劇場風居酒屋」で、主催スタッフの皆さんと楽しく懇親。四万十名産・川ノリの天ぷらがじつに香ばしくて美味。
9/18
高知WS2日目。四万十川を見下ろす小高い山の頂きにある市民公園が会場。天候は、今日も、激しく降ったり気まぐれに日が射したりと落ち着かない。
参加者は14組の親子。公園の大きな東屋で、雨を避けながらイベントスタート。
撮影の時間もやはり、降ったり止んだり。でも、子どもたち、雨具を着込んで頑張った!
花に昆虫、キノコに藤蔓。雨という悪環境にもめげず、いろんないのちを見つけ出しては、たくさん写真を撮った。
どうぞどうぞ、雨にも負けず世界を見つめるその眼差しを、この時代にこそ大事にね。
今回は特に、おかあさんおとうさんの作品にも、光るものがあった。「こういう工作って、苦手なんです…」と悩みながら作っていたおかあさんの作品は、まさに僕が大事にしたい自然と人(わたし)との関係性の勘所をピンポイントで表現していて、おもわず「そうそう、これですよ!」と膝を叩いてしまった。
終了後、また高知市へ戻る。移動中に車の異音に耳をすますと、心無しか音が大きくなっていて、どうやら悪化しているような…。うーん、心配。はやいとこ修理したい。
高知に着くと、幸いなことに、連休中にも関わらずメーカーの地元ディーラーが営業していたので、事情を話して点検をしてもらうことに。
点検の結果、故障部位を特定。以前故障したのと同箇所では無かったものの、どうやらこのまま走行を続ければ、最悪の場合、北海道に帰り着く前に走行不能になるだろう、とのこと。覚悟はしていたが、やはり気が重い。
部品調達の関係で、僕の高知滞在中にはどうしても根本的な修理はできないのだが、走行に支障がなくなる程度の応急処置であれば、僕が高知を発たねばならない20日の昼までには何とか対応可能と聞き、ほっと胸を撫で下ろす。
安心して大いに腹が減ったので、ホテルにチェックインした後に、はりまや橋あたりからアーケードの飲食店をあちこち物色して歩いていたら…
このくだりは、その日の夜に別途ブログに書いたので省略。山口洋、かっこいい。
9/19
高知WSの3日目、最終日。今日は、1日目とおなじ会場で30組の参加者とともに写真絵本づくり。
沖縄あたりで台風がウロウロ徘徊を続けているので、今日もやっぱり降ったり止んだり。ただ、今日もまた奇跡的に撮影時間は好天!高知の天の神様は、優しい。
さすがにここまでの行程の疲労が蓄積していたが、なんとか元気を振り絞って、子どもたちの表現と向き合う。
今日もすごいのができた。写真を撮った本人がびっくりするような、「どうやって撮ったの、これ?」という写真が今日も多数。子どもたちの眼は、曇ってないなぁ。
今回は、地元テレビ局の取材も入った。エコな活動を紹介する番組で、この写真絵本づくりの取り組みを紹介してくれるそうだ。放送は10月30日とのこと。楽しみだ。
テレビ局のレポーターさんも、子どもたちと一緒に作品づくりに参加してくれた。なかなかいい作品。やさしくて、繊細で。大人も、やるなぁ。
夜は、高知市内のショウガ料理専門店(?)で反省会と打ち上げ。特製ジンジャービールに、どれもショウガをぴりりと効かせた総菜で、この3日間の慰労を。
あすは移動日なので、すこしたくさんお酒を飲んだ。北海道や、僕が好きな青森県十和田にも縁が深い大町桂月の名を冠した日本酒「桂月」を頂く。
2次会は、せっかく高知に来たのだから、と、屋台へ。ライターF氏のお勧めで、マヨネーズラーメンを食す。うーん、これは高知名物なのか?しかし、酔っていたからだろうか、悪くない(笑)。
屋台のブルーシートの屋根を、土砂降り雨が殴りつける。そんななか、主催スタッフとともに、今回のWSで見えたある反省点や改善点を話し合いながら、最後は「日本とこどもとメディア」論など、酔った勢いであれこれ語り合った。
こうして、一つの企画を通して、子どもたちや自然のことを真剣に考えたり、未来のことをまじめに論じ合えたりするのは、嬉しい。しかもそれが、遥か海を隔てた南国・高知で、というのが、なおのこと嬉しいではないか。
こうした出会いと、出会いを支えてくれている全ての関係者に、心から感謝をしたい。
9/20
午前中、車の修理のためにカーディーラーへ。ショールームでまっていると、1時間程度で修理が仕上がった。よかった。
市内でお土産を買い、一路、次なる目的地・松山へ。
いよ西条ICあたりで、左手の山肌が大きく崩れている。これは台風12号の水害に傷跡だろうか…。
雨は、愛媛に入ってからなおさら酷くなった。明日が今回の本州~四国遠征の最後の仕事だ。なんとかはやいとこ台風15号には退散願いたい…。
夕方、松山でいつもお世話になっているTさんのお宅へ到着。「雨ですねー…」と挨拶を交わし、次の日の打ち合わせを。
翌日は、午前中はTさん宅を会場に未就園児とおかあさんによる写真絵本づくりWS。夕方からは、車で10分程離れたところにある絵本の店コッコ・サン松山店でのスライドトーク。
ちなみに、コッコ・サンの本店は高知にあり、昨年もWSやスライド上映では大変お世話になっている。松山店は去年できたばかりの新店舗で、早く訪ねたいと思っていたのだけれど、Tさんやコッコ・サンオーナーMさん、松山店店長Eっちゃんの計らいで今回こうしてお世話になることになった。うれしい。
9/21
午前~昼過ぎ、写真絵本づくりWS。参加者は、地元短大の先生や主催者Tさんのお知り合いの成人女性など大人の参加者も含め、10数名。
昨日までの雨は終わり、明るい空。よかったー!
みんなでTさん邸の周りの草むらやお隣の公園の中でいろいろ探していろいろ撮影。ドングリにキノコ、栽培されているレモンの木、クモやバッタやテントウムシ、いろんないきものに出会う。
「今日は偶然幼稚園を休んだので参加できました」というRくん親子。そのRくんの、カメラを通して緑の草むらを覗き込む眼差しや佇まいは、見事。もうまるでいっぱしのカメラマン。とにかく真剣。
結果写り込んだ風景や様々な昆虫たちも、Rくんのキレるような眼差しそのままに、とてもシャープ。
屋内作業(絵本作り)を始めると、Rくん、黒い画用紙を表紙に選び、そこに白い折り紙を矩形に小さく切り貼ってレイアウトし、そこに本のタイトル「ここに いる」と書いた。なんとシンプルで力強い。
草むらに居る様々ないのち、それをじっと見つめるRくん。そのどちらもの「僕(僕ら)、ここにいる!」という存在感、実存感が伝わってくるような、見事な作品。ほんと、よかった。
夕方からはコッコ・サン松山店でスライドトーク。主催者Tさんのご主人や子どもたちも一緒に参加してくれ、アットホームな感じのイベントに。
コッコ・サンの店内も素晴らしく、絵本に囲まれながら、素敵な人たちと、ひととき森の時間を過ごす。
参加者の中に、地元の盲学校の先生がおられた。Tさんに誘われて参加したという。終了後に少しお話しする。
「いま2年生の女の子を担任しているのだけど、彼女に今日見たスライド上映や絵本の読み語りのことを、どう伝えようかな…。小寺さん、このクルミの実、ひとつだけ頂いてもいいでしょうか?彼女に触れさせてあげたいので…」と、その先生。
僕のスライドトークの中では(毎回必ずではないのだけど)、エゾリスの営みを紹介することがある。
堅いクルミの殻を前歯でカリカリと何度もかじり、殻を割り、中に入っている柔らかな胚乳を食べること。
でもリスたちのなかには、齧ったはいいが、殻を上手に開くことができず、胚乳を食べることに失敗してしまうリスもいること。
そして、そんな失敗をしてもちゃんと森の中で元気に生きているリスたちの姿に、いつも失敗ばかりのこの写真家のおじさんは大いに励まされているのだよ、ということ。
僕は、そんなお話をしたあとで、僕が実際に森で拾った「食べるのに失敗したリスの歯形が刻まれたクルミ」の現物を子どもたちに見せ、手に取ってもらうようにしている。
先生は、生まれたときから全盲だという2年生の教え子に、その「失敗のクルミ」を触らせながら、今日聴いた森のお話を伝えてあげたいのだと言う。
いつも僕が持ち歩いている「失敗のクルミ」の現物は、もちろん数に限りがあるるので、これまでスライドトークの後で子どもたちから「このクルミ、欲しい!ちょうだーい!」と言われても「だめー!欲しければ、北海道の森へ拾いにきて下さーい!」と笑ってごまかしてきたのだけれど、今回は、一つだけ、先生に差し上げることにした。
「失敗のクルミ」はいまごろ、先生の手から2年生の女の子の手へ手渡されているかもしれない。
彼女はどんな思いでそのクルミに触れるのだろう。クルミに刻まれた、ちょっと不器用なリスの歯の痕跡は、彼女の脳裏にどんな印象を残すのだろう。
確かな手触りの中で、森のいのちの営みがつたわると、いいな。
スライドトークの後は、Tさん一家、コッコ・サン松山店店長Eっちゃんと、近くのイタリアンレストランで食事。今回の本州/四国遠征の最後の懇親会だ。
自家製ハーブのソーダウォーターが、トーク後の乾いた喉にさわやかに染み渡る。次々に運ばれてくる美味しいピザとパスタに、お腹と心もいっぱいに。
9/22
午前中、Tさんの本業(ご主人が経営されている)である木材屋さんの事務所兼ショールームで、Tさんが力を入れて子どもたちや各種業界に紹介している「木のおもちゃ」の数々で遊ぶ。
木材会社だけあって、おもちゃに使われている木の樹種は、針葉樹あり、落葉樹あり、照葉樹ありと、じつに多彩。
見た目も手触りも、それぞれ違う。堅かったり、柔らかかったり、重かったり、軽かったり。白いのもあれば、赤いのも、黒いのも、黄色いのも。
しかしそのどれもが、触れると、しっとりと僕の手に馴染む。いわゆる「木のぬくもり」というものなのだろう。彼の木と僕の手と、生き物同士がもつ一つの「親和力」なのだろうな、とあらためて思う。
そういえばTさんにいつも送ってもらっている会社の通信のタイトルは「適材適所」だった。そう、生き物である木には、個性がある。
木がそれぞれの特徴や個性を持っているように、人ももちろん、それぞれの個性をもつ。
その個性が、何者にも邪魔されずにひとつのカタチ、一つの作品に結実するのを見たくてやっている写真絵本づくりWS。
個性を持った眼が、個性を持った風景や事物やいのちたちに出会い、その邂逅によって生じた強い親和力に突き動かされ、新たなナニモノかが立ち現れる。それは、ことばか、音声か、イメージか、身体の運動か。
これって、言葉にすると大仰だが、しかし、”まっさらないのちとしての人間”にとっては、じつはあたりまえの創造的営為。
”わたし”と”何か”が出会って、いままでと違う何かが生まれる。そして、それは等しく、(他の何者にも軽んじられることのない)ある固有の「価値」をもつ。
そんな当たり前を、こんな時代だからこそ、ちゃんと子どもたちに保証してあげたい。写真おじさんは、そう思う。
Tさんご夫婦に別れを告げ、昼前、一路敦賀港へ。いよいよ北海道へ帰る船に乗る。
台風一過の青空のもと、松山~福井の500kmのロングドライブ。確かに、疲れはする。でも、心は軽やか。愛車の調子もいい。
この10日間にお世話になった関係者やイベント参加者、出会った人びとへの感謝をいっぱいに抱えながら、深夜、北行きのフェリーに乗り込んだ。