不定期日記

生き死に

今日もひたすら森歩き。暖かいなぁ。
昨日のトドマツを再訪してみました。
今日もやっぱりいい香りでした。
ところで、すみません、
昨日の記述「80cmくらいはありそうな」は盛りすぎでした…。
せいぜい60〜70cm。
それでもすごく太い。
再度幹を撫で回してきました。
ところで今日は、別のエリアで、若い鹿の死骸や、
たぶんモモンガであろう体毛の残骸を見ました。
沢沿いを歩いていたら、プンと腐臭がするので
あたりをぐるっと見渡すと、数メートル先の水際に
まだ皮と肉の残った新し目の鹿の死骸が横たわっていました。
餓死かな…
残念ながらこの冬を乗り切れなかったのですね。
北海道のこの辺りでは、冬場は草本類がみんな雪の下ですので、
草食動物にとっては食料確保がとにかく大変です。
まだ十分体力のない若い鹿たちにとっては、
冬を乗り切ることが人生(鹿生?)初めの課題になります。
鹿の躯の周辺には、点々とキツネの足跡が。
キツネにとっては、大ご馳走です。
鹿の餓死が、結果として、
キツネを飢えから救ったのかもしれません。
一方、モモンガの方はというと、
ふわふわとした体毛が雪の上に散らばっているだけで
骨などは近くには見つかりませんでした。
カラスにでもやられたかな。
それともうっかり地上に降りたときにキツネにやられたか?
普段は夜行性のモモンガも、
春先の繁殖期中は日中の明るい時でも樹洞の外で活動しますので、
その分、天敵にやられやすいのでしょうね。
毛以外はきっとどこかに持ち去られ
綺麗に食べられたのでしょう。
あのモモンガの愛らしい顔を思い浮かべると、
ちょっと切なくなりますが…。
気を取り直してまた歩き始めると、
すぐ近くの一本の大きなトドマツの幹に
くっきりとしたヒグマの爪痕が。
梢のずいぶん高いところまで、点々と続いています。
(爪痕自体はすでにだいぶ古いものでしたが…)
ヤマブドウのツルが一本、
そのトドマツの幹を這い登るように
上の方まで伸びていましたので、
ヒグマはその果実を目当てに木をよじ登ったのでしょう。
ヒグマは結構木登りが得意です。
ある秋の日に、冬眠を控えたヒグマが一頭、
甘酸っぱいヤマブドウ食べたさに
あの大きな図体で
よいしょよいしょと木のぼりです。
その様子を、どこかから、あのモモンガが
トドマツの葉でもポリポリかじりながら
こっそり見ていたかもしれません。
みな、それぞれに、
食ったり、食われたりしながら、
生きたり、死んだりしています。