昨日深夜に民法テレビで放送されていた映画『ブラス!』をさっき録画で観た。
1996年制作のイギリス映画。
これまでに何度か鑑賞する機会があったのだけれど、見逃してきた作品。
内容についてここには詳述しないけれど(リンク先参照)、
「こんな映画だったとは。もっと早く観ればよかった」が鑑賞後の第一の感想。
wikiペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B9!
炭鉱閉山に翻弄される人々の様子が、
ときにユーモラスに、そして切なく描かれていて、胸に響く映画だった。
実話に着想を得て制作されたという。
映画の作り手の、この映画を作りたかった思いがこちらの胸にも響いてくる映画だった。
僕は以前、ある縁で、上砂川や夕張など
旧産炭地の人々を描いたドキュメンタリー映画『闇を掘る』(2001年/森の映画社/藤本幸久監督)の制作に
ほんの少しだけ関わったことがある(荷物運びの手伝い)。
また、その後も同監督と共に2002年の釧路・太平洋炭礦の閉山にも立ち会った。
ああ、きっとあの頃の僕は、
自分が何かとても大事な現場に立ち会っているのだという実感こそ覚えてはいたものの、
一つの産業が地域から消えてゆく(消されてゆく)ことがどういう意味を持つのかについては、
あまり深く捉えることができていなかったのだなぁ……
……そんなことをも、『ブラス!』という映画は思い起こさせてくれた。
そしてもう一つ、思ったこと。
2017年のいま、正月騒ぎのまだ残るこの時期に、民法テレビ局が、
深夜枠にこっそりとこのような20年も昔の、
しかも決して無邪気で明るい作品とは言えぬ映画を紛れ込ませたのは、
いったいどうしてなのか--その意図するところをついおもんぱかりたくなった。
この映画が作られてから20年。
僕が不思議な縁で「ヤマが無くなる」のに居合わせてから14年。
決して短いとは言えない時間が流れたいま、
地域は、そこで生きる人々の暮らしは、あの頃よりもよくなっているのかな--。
つい先週、正月2日の渋谷や原宿、表参道で体感した
あの押しつぶされそうなほどの喧騒と過密を思い出しながら、
いま、本当に本当に静かなこの北海道の田舎町で、しみじみこれを書いている。
あらためて、今年一年が、皆さんにとって素敵な年となりますように。