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18 Pockets
対論連載「いのちの政治学~コロナ後の世界を考える 第1回今、リーダーに必要なこ...
中島岳志さんと若松英輔さん。この心を閉ざしがちな危機的な状況の中で、お二人に“コロナ後”を見据えての対論連載を始めていただくことになった。私たちの心に平穏をもたらす政治家とは? 過去から未来へ、縦横無尽に検証する。中島さんと若松さん二人の「リーダー」の演説中島 「いのちの政治学」と題したこの対談では、政治家や運動家など、過去に存在したさまざまな人物の歩みを振り返りながら、私たちに今必要な「リーダー」というもののあり方を改めて考えていきたいと思っています。「リーダー」のあり方を再考する必要...
素晴らしい対談。これもまたぜひみなさんにご紹介したい。お読みください。
「いのちの政治学~コロナ後の世界を考える(前編)」
1ページ目から2ページ目冒頭にかけて展開されている日独政府のリーダーシップの比較と評価については、この対談記事をわざわざ読むまでもなく、2者の間にあるあまりにも大きな「落差」がすでに憐れみすらも誘うレベルで世に晒されてしまっていますので、ぼくにはもう何も言うことはありません。その落差の明々白々さたるや、あのマスクのガーゼの白より明らかです。
ただ、そうしたリーダー論を肉付けするために続いて語られる「目と眼」、「言葉とコトバ」、「命といのち」、そして「数と分類による統治」とそれを超えたところにあるものについての対論は、あっさりとしたテキストではありながらも、いまのぼくの心にしみじみと染み入ってくる味わい深い内容でした。
いまニンゲンは、まず第一に、とにもかくにもコロナウイルスによって顕在化した我々自身の脆弱さと混乱をなんとか乗り越えなくてはなりません。
でも、コロナ禍が去ったその先のこと、卑近なリーダー資質論など早々に超えたえたその先の「我々自身がいかによりよく生きていくか」ということをも、いまから丁寧に粘り強く、こうした言論によって、また言論以外の表現活動によって(すなわち、対論中で言われているところの「コトバ」によって)問い直していきたいものだなぁと思わされました。