不定期日記

漸く佳境に入る

ぼくはいま、静かに興奮しております。既刊著作が重版になって嬉しいってのもあるのですけど、それにも増して、「新刊!」です。
 
この春、札幌の児童文学作家・升井純子との共著でアリス館から写真絵本を上梓します。その制作作業がいま佳境に入っているのです。
 
新しい本が生まれ出る前のこの緊張感。「うーん、この部分はやっぱり、こうではなく、こうすべきでは……?」と、微に入り細に入り最後の「悪あがき」。
 
今回は特に共著ということもあって、著者ふたり・編集者・デザイナーによる三つ巴ならぬ「四つ巴」の果てしない微調整。それがまた、たまりません。
 
で、昨夜デザイナーさんから届いたカバー+帯の最終案が、もうほんとに素敵。心で泣きました。
 
特に打たれたのは、帯。
 
「帯のデザイン案をみて泣くなど、一体全体そんなことあるか?!」と自分でもびっくり。(そんなのぼくだけかも知らんけど…)
 
この上なくシンプルで、清くまた潔く、毅然。でも、やわらかであたたか。ごく小さな表象でありながらも、奥行きの全て。実際のところ、そこに書かれているのは、本編の文章から抜き出した15コの文字だけなのに。
 
たかが帯。されど帯。いや、ことばってすごい。デザインってすごい。早くみなさんにも見せたい。
 
えーいモザイク掛けて見せちゃおう。編集者とデザイナーさんに怒られる。でもいい。強めにモザイク掛けるから許せ!(でもこれじゃ、みなさんには何がなんだわかりませんね…😅すんません…)

販売店の皆さん。売るときはちゃんと帯が見えるように、絶版までずっと面出しでお願い!😁


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「佳境に入る」って、いいことばですね。
 
佳(よ)き境界、境涯へとだんだんと差し掛かる。いよいよ、うつくしき涯(みぎわ)の中を往く。
 
ただ、ぼくらを乗せた小舟は、いつまでもその佳境をのたりゆたり水の流れのままに下り続けていられるわけもなく、いつかは白波逆巻く瀬を越えて未知の大海へと漕ぎださなくちゃならない。いま、ほんのひとときだけ、彼岸此岸に咲き揺れる花の色香に酔いしれる。
 
あ、違った! ぼくらのこの〈花〉はこのあともうすぐ咲くんです。開花宣言、もうちょっとだけお待ちを。


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