不定期日記

Life展5、必見です。

これ! 「Life展5」。

Life展5 愛灯学園のアールブリュット

Art event in Obihiro, Hokkaido, Japan by あーとスペース”ぐるぐる” on Thursday, July 25 2019


今日観ました。以前、帯広美術館で開催されていたアールブリュット展も心が震え上がるほど良かったが、これも凄かった。アールブリュット=生(き)の芸術。まさに。

展示されている作品もそれぞれ凄まじい美を放っているが、展覧室の奥の壁面にエンドレス投影されている作家たちの製作風景映像(記録動画)も、すごいぞ、必見。

製作してる最中の作者の居住まい、所作、纏う雰囲気自体が、作品に負けず劣らず面白く、そして美しいんだ。

ニコニコと笑って談笑しながらもひたすら手を動かし続ける人。真剣な顔つきで作品に自分の額を擦りつけるくらいの勢いで絵を描き込む人(いつか映像で観た棟方志功を彷彿)。筆立ての中の何本もの色鉛筆を“一瞥もせずにじっくり選び”ながら色あざやかな絵を描いてゆく人。ペンを持ったままじっと考え込んで結局は“なにも描かない”人(笑)。

とにかく、作家のみなさん、なんと素敵な自然体。脱力そして集中。もちろん、映像に映っているのは製作過程のほんの一部分だけだから、すべてがすべてこういう雰囲気の中で行なわれているわけではないのだろうけど、しかし面白いし、美しい。

なるほど、もしかしたらこういう状態を「アルカイック」というのだろうか。夏休みに遠く広隆寺の仏像を観に行かなくとも、帯広でいま、アルカイックな表情には会えるぞ。

「生」(き・せい・life・いき)。

美は、生(き)のヒトに備わっている。で、出せば出てくる。大なり小なり、みんな“脳内火焔土器”を持っている。それがよくわかる。

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あらためて「写真ってなんだ」と思ったよ。そして、ぼくは森の中で、どんな居住まい、所作で、どんな雰囲気を纏っているんだろう、ぼく自身は森の中でこの作家たちのように美しく在ることができているだろうか……と我が身を省みたよ。

「脱力で情念に殉じているか、この一本の一年草ほどの確かさで。」